Japanische Klassiker mit Furigana
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せかいかいきじつわ「じょぶん」
世界怪奇実話
牧 逸馬
Lesen Sie 世界怪奇実話 (せかいかいきじつわ「じょぶん」) von 牧 逸馬 (まきいつま) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 251.305 Zeichen · 498 Bildschirme
宛てに早速一筆啓上したものだ。
自己推薦の件は宜しくこなして、好い気持ちにペンが滑った余り、つい大昔の初恋時代の感傷に返ったヘルグライン君、「ひとり寝の閨淋しきままに」なんかと、精ぜい未亡人の紅涙を絞るべく哀調切々、胸を打つ美文を綴った――か何うか、そんなところまでは判っていない。
が、悲しきまでに事務的な市俄古人のことだ。半身手札型脱帽写真一葉、戸籍謄本、履歴書、医師の署名ある健康診断書、財産目録、これだけは忘れずに同封して、まるで保険会社の宣伝印刷物みたいに、さぞがさがさした重い書状だったろう。
若い者同士の恋愛は、いつの時代にも何だかんだと問題になるが、一体このほうにかけて悪どいのは、何うも中年以上に多いようだ。羞恥心が麻痺して図々しくなっているのと、一つには、夕陽を背って先を急ぐ故もあろう。この「インデアナの未亡人」などは、尤も慾にも絡んでいたが、その性の方面でも言語道断の代表格で、またあのフレデリック・コウツにしろ、アンドルウ・ヘルグラインにしろ、大体が好い年齢をしながら、好奇半分に余計なこころを動かしたばっかりに、ああして飛んでもないことになって終う。