Japanische Klassiker mit Furigana
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せかいかいきじつわ「じょぶん」
世界怪奇実話
牧 逸馬
Lesen Sie 世界怪奇実話 (せかいかいきじつわ「じょぶん」) von 牧 逸馬 (まきいつま) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 251.305 Zeichen · 498 Bildschirme
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が、恐るおそるペンを受取った女は、軸からペン先まで不思議そうに見入ったきりで、怖いもののように、そっと机のうえに置いてしまった。そして、部屋の隅に、子供の絵具箱が置いてあるのを見ると、うれしそうに駈寄って、穂の長い小さな絵筆と、青の絵具皿を取り出して来た。ペンは、使い方は愚か見たこともない様子だが、毛筆はお手のものとみえる。器用な手つきである。筆の先に青絵具をふくませて、さらさらと紙を撫でる。達筆だ。一行の文字だ。亜刺比亜字らしいのである。
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が、亜刺比亜の字など、その方面の学者でもない限り、そうざらに読める筈はない。ウオロウル夫人も困って、その、女の書いた字を白眼んで首を捻っていると、急に相手は面白そうに笑い出すのだ。そしていきなり、文字と自分を交互に指さして、鸚鵡のように繰り返した。
「Caraboo ! カラブウ!」
しかし、ウオロウル夫人には、この「カラブウ」が何のことかその時はまだ判らなかった。
ただ曙光を認めたような気がした。根気よくやりさえすれば或る程度まで相互に理解出来る望みがある。夫人はそう思って次ぎに、毎日女を伴れて邸じゅうを見せて廻ることにした。