Japanische Klassiker mit Furigana
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せかいかいきじつわ「じょぶん」
世界怪奇実話
牧 逸馬
Lesen Sie 世界怪奇実話 (せかいかいきじつわ「じょぶん」) von 牧 逸馬 (まきいつま) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 251.305 Zeichen · 498 Bildschirme
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「求縁――インデアナ州ラ・ポウト郡の風光明媚なる地域に、収穫多き農園を経営する美貌の寡婦――」
貪り読んでいる。
型の通り手紙を出して、例の「標準恋文」を受取り、ケネス・オハラも倉皇としてインデアナへ発足する。
5
発足したきり、何時まで経っても帰らないし、ぐうともすうとも言って来ないので、先ずこのバッファロのオハラの親類達が騒ぎ出した。由来愛蘭土人は気が早いので有名だ。早速警察へ押しかけて、やいやい急き立てて捜索方を依頼する。
警察も何がなし此の事件――未だ事件とまではっきりしたものではなかった――に鳥渡臭いにおいを嗅いで、茲に初めて其の筋の眼がインデアナの方向へ向く。
が、これが動機であの一世を震駭した大犯罪が発覚しようとは、誰も思わなかった。
一九〇四年から九年、前後五年間に亙る出来事である。西部には、まだ金坑狂時代の「野蛮海岸」の風が遺って、全国何となく二挺拳銃の荒っぽい気分から脱し切れない。そこから、独自の亜米利加文明を育てて往こうとする、力の張り切った、謂わば揺籃期だ。
同時に、こんにちの亜米利加的な物質生活の曙光は漸やく見え初めて、そのかわり、精神的に拠頼する何ものも与えられていない過渡時代――。