Japanische Klassiker mit Furigana
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せかいかいきじつわ「じょぶん」
世界怪奇実話
牧 逸馬
Lesen Sie 世界怪奇実話 (せかいかいきじつわ「じょぶん」) von 牧 逸馬 (まきいつま) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 251.305 Zeichen · 498 Bildschirme
ウオロウル夫人は、にっこりした。判ったのだ。女は、カラブウという名前なのである。こうしてカラブウは、ウオロウル家の客としてノウル園に落ちつくことになった。
前に言ったように、小柄な女だが、魅力的なカラブウである。漆黒の髪と眼、線の強い、真赤な口びる、小麦色の皮膚、新鮮な顔いろ――敬神家で、礼儀正しく、愛嬌があって貴族的だ。言葉こそ通じないが、ウオロウル夫人はカラブウが大好きになって、母親のようなこころもちで、何くれとなく親切に面倒を見ている。
その間に、附近の大学の言語学の教授たちをはじめ、多くの学者連が、われこそ見事カラブウの通訳に立ってみせようと毎日何人となくノウル園へ押しかけて来たが、一人として成功したものはない。亜刺比亜語、印度語、支那語、どの学者も最初から首を捻るだけで、一語も解釈出来ないのだ。亜刺比亜語らしいところもあり、支那語らしいところもあり、印度語らしいところもあるが、それでいて、何とも不思議、頭で語学の系統が違うのか、一言もわからないのである。誰が来ても、まるっきり推測もつかない。どうも妙だ。ことによると、これこそあの日本人という特殊の人種かも知れない――ということになったが、とにかく、こうして博言学者団が出ても、解らないものは仕様がない。