Japanische Klassiker mit Furigana
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せかいかいきじつわ「じょぶん」
世界怪奇実話
牧 逸馬
Lesen Sie 世界怪奇実話 (せかいかいきじつわ「じょぶん」) von 牧 逸馬 (まきいつま) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 251.305 Zeichen · 498 Bildschirme
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催涙ピストル位い持出したところで、瞬く間に警察でも監獄でも焼打ちして、眼ざす人間を私刑せずには止まないだろう。そんなことになっては大変だから、グリイン氏は、犯人捜査は言わずもがな、この方でも、人知れず苦労しなければならなかった。
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「嫌疑者がリンチされて、後になって無罪と判ったら何うする」グリイン氏が言っている。
「考えてもぞっとするではないか」
そして、全公衆は激昂の極に達して、まるで私刑に飢えている心状なのだ。グリインは語を継いで、
「合衆国の、いや、法治国の名誉にかけて、この嫌疑者を、そして何れあらわれるであろう犯人を、群集の手に渡してはならない」
これは、群集に弱い亜米利加官憲としては、随分勇敢な言辞なのである。度びたびデトロイト時報を引用するが、大きく言えば劃時代的な表明として、同紙上にも特筆してある。
ジェネシイ郡の警察医D・R・ブラッセイ博士がドロシイの屍体を検証して、暴行の事実その他、警察の意見を一層確定せしめた。
「驚く可き一事は、これだけ人体にナイフを加えながら、手が少しも顫えていないことです」
博士は、この点に特に係官の注意を促した。