Japanische Klassiker mit Furigana
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せかいかいきじつわ「じょぶん」
世界怪奇実話
牧 逸馬
Lesen Sie 世界怪奇実話 (せかいかいきじつわ「じょぶん」) von 牧 逸馬 (まきいつま) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 251.305 Zeichen · 498 Bildschirme
着物は上等の紺サアジの上下、それに、青いリボンを巻いた印度頭巾風の、小さな洒落た帽子、安物でない毛皮の外套、黒い絹の靴下、踵の高い流行の靴、こういう場合、大概の女が死ぬと美人になることは西洋も同じだが、この女だけは正真正銘、稀に見る美人だった。
あまりトニィの様子が真剣なので、後から冷やかしてやる心算で、ケェシィは自動車を返したのだったが、軈てトニィが狂的に指さす個処へ眼を遣ると、思わずケェシィは、身体が凍ったように停車して、ぽかんと口を開けてしまった。冗談でも、真昼の夢でもない。直ぐ向うの岩の重なった間から、白い裸かの腕が、真っすぐ空を指さすように突き出ていて、固くなった儘風に揺らいで、手招きしているように見えるのだ。観ようによっては、空に浮いているようにも、土から生えているようにも見えるのである。トニィ・フェルナンデは、この発見の時の観察を警官や新聞記者に述べて、斯う言っている。
“There was nobody there ―― just a hand, sticking out of the ground, waving at me!”
偽らない、グロテスクな感想だ。