Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ごべんのつばき

五瓣の椿

山本 周五郎

Lesen Sie 五瓣の椿 (ごべんのつばき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 149.721 Zeichen · 296 Bildschirme

Aozora Bunko

次の医者のときもそうだ、と彼は思った。

海野得石という医者は、いかがわしい治療をして金を儲け、大川端町で「海石」という料理茶屋を、そして日本橋平松町で「豊島屋」という宿屋を経営していた。いかがわしい治療のことも耳にはいっていたし、兼業を許されない医者が料理茶屋をやり、宿屋のほうでは「日済し貸し」までやっているという事実もわかった。すると、蝶太夫が殺されてから七日めに、浅草みよし町の「ひらの」で、得石もまた若い女に殺された。女はおみのという名で、こんどは貸金の証文を残らず持ち去った。

――これも謎のようだ。

得石が貸金の証文をまとめて持っていったことは、豊島屋の番頭がはっきり認めている。だが「ひらの」にはなにもなかった。死躰の側には、証文を入れたという手提さえもなかった。「瓦版に出たから、借金をしている連中はよろこんだろう」と千之助は呟いた、「――まえには仲次郎に金を恵み、二番めには日済しの借金で困っている者たちを助けた、しかし、二人を殺すのが目的だったことに紛れはない」

それは殺しかたと、椿の花弁を一枚だけ置いたことでわかる。殺すことは初めから計画されたもので、金を与えたり証文を破棄したのはついでの仕事だ。