Japanische Klassiker mit Furigana
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ごべんのつばき
五瓣の椿
山本 周五郎
Lesen Sie 五瓣の椿 (ごべんのつばき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 149.721 Zeichen · 296 Bildschirme
九
「どこで会いました」
「そのとき仲次郎師匠のことで」とおりうは構わずに続けた、「あなたが六さんに脅されているということを聞いたのよ、本当か嘘かわからないし、たぶん嘘だろうとは思ったけれど、あたしお師匠さんのことが心配だから、仲次郎さんが小商売にでもとりつけばいいだろうと思って、六さんの分といっしょにお金を都合することにしたんです」
蝶太夫は唾をのんだ、「すると」と彼は口ごもりながら訊いた、「その、むさし屋のごしんぞのことも佐吉から」
「ええ」おりうは頷いた、「あたし聞いてぞうっとしちゃったわ」
「ぞっとしたとは、なにが」
「むさし屋の主人という人は、血を吐きながら恨み死に死んだんですって」とおりうは身ぶるいをした、「その娘のおしのっていう人も、やっぱり恨みに恨んで死んだんですってよ」
九
「娘のおしのって」と蝶太夫が訊き返した、「私はそんな人は知らないがな」
「あたしだって知らないわ」とおりうが云った、「佐吉から聞いただけだけれど、そのおしのさんていう人は、おっ母さんと悪いことをした相手を、一人残らずとり殺してやる、って云いくらしてたっていうことだわ」
「しかしいま、その娘は死んだって聞いたようだが」