Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ごべんのつばき

五瓣の椿

山本 周五郎

Lesen Sie 五瓣の椿 (ごべんのつばき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 149.721 Zeichen · 296 Bildschirme

Aozora Bunko

知らねえと云ったって立派にとおる筈だ」

「そうかしら」

「そうかしらって、――現におめえが、自分一人でやったことを知ってるじゃねえか」

「あたしの云うのはそうじゃないの」とおしのは穏やかな口ぶりで云った、「あんたは金で買われてあたしの手伝いをしただけだ、って云ったでしょ、自分では一度も手出しはしなかったって」

「そうでねえとでも云うのかい」

「そうでないと思ってるの」おしのは沈んだ眼つきで彼を見た、「あんたはあたしの手伝いをしただけではなく、おっ母さんの手伝いもしたわ、おっ母さんばかりじゃなく、よその後家さんやおかみさん、浮気な娘たちまで、何十人となく芸人や役者衆をとりもって来たわ、そうじゃなくって、佐吉さん」

「ちょっと待ってくれ」彼は頭を振り、片手で横額をとんとんと叩いた、「話がへんにこんがらかってきやがったが、そいつはいってえ、どういうことなんだ」

「あんたのために、何十人もの女のひとや、その人の縁者や家族の人たちが、おちぶれたり一家ばらばらになったりして、どのくらい不仕合せになり、泣いているかもしれないわ、あたしのおっ母さんがいい証拠だとは思わない、佐吉さん」