Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ごべんのつばき

五瓣の椿

山本 周五郎

Lesen Sie 五瓣の椿 (ごべんのつばき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 149.721 Zeichen · 296 Bildschirme

Aozora Bunko

「いまにわかるわ」とおそのは微笑した、「あんたも女になればあたしの気持がきっとわかることよ」

「おっ母さんの気持なんておっ母さんだけのものよ、おっ母さんは自分のことしか考えやしない、自分がたのしむためならどんなことでもするけれど、ひとのためには指一本動かす気もないのよ、お父つぁんにさんざん不人情なことをしたあげく、死水も取ってやらずに、面白味のない人だなんて」おしのは声を詰まらせ、両手で顔を掩いながら云った、「味もそっけもない、退屈な人だったなんて、それじゃあお父つぁんが可哀そうだわ」

「なにもこの人のためにあんたが、そんなに悲しがることはないのよ」とおそのが云った、「いまだから本当のことを云うけれどね、おしのちゃん、この人はあんたの父親じゃあなかったのよ」

「そんな云い訳は聞きたくもないわ」

「この人は赤の他人だったのよ」

「でたらめを云わないで」とおしのが云った、「自分がなにを云ってるかもわからないんじゃないの、赤の他人だなんて、いったいどういうことなの」

「あんたの親はこの人じゃないの、本当の父親はほかにいるのよ」

おしのは母の顔をみつめた、「おっ母さん、そんなばかなことを云って」