Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ごべんのつばき

五瓣の椿

山本 周五郎

Lesen Sie 五瓣の椿 (ごべんのつばき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 149.721 Zeichen · 296 Bildschirme

Aozora Bunko

お由の衣類などもあったが、それもいっしょに売り払い、僅かな荷物は車屋に頼んで置いて、家を捜しにでかけた。九間堀に常磐津三千太夫というなかまがあり、そこで訊いて、浅草の福井町までいっしょにいってもらった。――福井町一丁目の横町で、下は老人夫婦が荒物屋をしてい、二階の六帖を貸すというのであった。荒物屋は隠居しごとで、生活費は息子のほうから来るらしい。こっちのしょうばいを聞くと、ちょっと渋い顔をしたが、うちで弟子は取らないという約束で、はなしはきまった。

その日の芝居の済んだあと、三千太夫と一杯やりながら、彼は六助が上方から戻って来たことを告げ、こんどの住居をないしょにしてくれるように、と頼んだ。三千太夫も六助の戻ったことは知っていて、おれは饒舌りはしないが、六の眼から逃げることはできないだろう、と云った。べつに逃げるわけではない、うるさいだけなんだ、と蝶太夫は云った。三千太夫はちらと横眼をはしらせたが、私は黙ってるよ、ともういちど云った。

蝶太夫はおりうからの「知らせ」を待った。それはいつも中村座の楽屋へ来るのであるが、十月の芝居が終り、次の顔見世は十一月二十日が初日なので、知らせを受ける手掛りに困った。