Japanische Klassiker mit Furigana
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ぶっきょうじんせいとくほん
仏教人生読本
岡本 かの子
Lesen Sie 仏教人生読本 (ぶっきょうじんせいとくほん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 124.886 Zeichen · 246 Bildschirme
そして当人はそれを無理に努めているようにも見えません。どこか余裕を持ちながら、天地人三才の徳を芸道上に湛えているのです。これが秀吉にとっては驚異であるばかりでなく、日頃他人の虚を衝くのを得意としている秀吉の自信を裏切らせるものであります。秀吉にはもう一人、天下に自信を裏切らせるものがありました。それは家康でした。しかし、家康は営々として隙を作らないよう努めている形跡があります。利休に較べると、まだそこに隙が見えます。その隙がまだ秀吉の得意さを失わせませんでした。しかし利休に至っては、時にまるで赤児のよう、時にはまるで賢者のよう自由自在に振舞って、しかも一向そつがないのであります。時には富豪のように散じ、時には貧者のように貯えて、愛惜と濫費の別が見えないのであります。その自然さ、そして才気の底の知れなさ、秀吉は、天下に嘗て代って見たいほどの羨ましい人間には出会ったことがありませんでしたが、この利休を見てからは、その気持ちが少々あやしくなって来ました。利休とは一体どんな人間なのか。その底も見究めたく、遂にこういう朝駈けを試みるのでした。故に、好奇心半分とは言いながら、人物鑑定癖のある秀吉にとっては、実は相当真剣な襲撃でもありました。