Japanische Klassiker mit Furigana
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ぶっきょうじんせいとくほん
仏教人生読本
岡本 かの子
Lesen Sie 仏教人生読本 (ぶっきょうじんせいとくほん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 124.886 Zeichen · 246 Bildschirme
第六課 人情に殉じ、人情を完うす
ある一事についての深いたしなみは、もうそのことの上のたしなみだけでなく、人間上のものになって来ます。その心得はもう一芸のものでなく、諸道に通じます。そして人を感動させます。利休のたしなみのごときも、私たち処世上の心得としてどのくらい貴重な参考になるか知れません。
利休の茶道の歌に、
寒熱の地獄を潜る茶柄杓も
心なければ苦しくもなし
これ利休が職分の深いたしなみから、人生の悟道(さとり)に入った証拠であります。憂き辛い世の中も、無心で向えば何ともないという妙諦に茶の経験から入ったのであります。ここで無心ということは、ぼんやりとか冷淡になってとかいう意味ではありません。驀直に傍目も振らずという意味であります。無心とは「迷いの心なく、ひたすらに」という意味であります。
柚子味噌というものは、利休のこれが最初だという話ですが、本当かどうか知りません。しかし柚子味噌を喰べるたびに私はこの話を思い出します。
第六課 人情に殉じ、人情を完うす
ある人が、あるところへ後妻を世話しました。ところが、その媒酌人のところへ、後妻に世話した女が泣き込んで来ました。
その媒酌人はなかなか苦労をして、人情にも道理にも通じたところがありました。