Japanische Klassiker mit Furigana
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ぶっきょうじんせいとくほん
仏教人生読本
岡本 かの子
Lesen Sie 仏教人生読本 (ぶっきょうじんせいとくほん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 124.886 Zeichen · 246 Bildschirme
心のあたたか味は何から湧くでしょうか。理解からだと思います。理解を広くしようと心がけている人が世の中を最も広く愛し得るわけなのでありますが……しかし、ここに、感覚というものがあります。感覚の非常に強い人は、なまなかの理解ぐらいでは愛し得ざるものに愛は起し得ません。その人の愛は「道徳の愛」とは違うのですから。ですからそういう人は狭くとも深く愛して行くその人の傾向にまかせるよりほかはありません。詩人などにこういう性分の人は適当するのですが、一般人のなかに立ち交って随分不自由しなければならない性質でしょう。人間はいろいろな性質につくられているのですから仕方がありません。道元禅師という昔の禅宗の高僧は「この感覚」の自由さえみとめられました。仏教が「道徳教」でない証拠です。生きた、自由な、真実な軌道に添っている宗教である証拠です。
憎みは大概、自分にとって都合の悪い対象者に向って湧く人情です。たとえば、自分の子をいじめる他所の子は憎い、自国に敵対する他国が憎い、自分の位置を凌駕する競争者が憎いなど。
ことごとく自分に都合の悪いものを憎むのは人間の本能の利己的感情がそうさせるのでありますが、世の中は自分に都合の悪い存在者が一ぱい居るといって好いほどです。