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Japanische Klassiker mit Furigana

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なにがわたしをこうさせたか

何が私をこうさせたか

金子 ふみ子

Lesen Sie 何が私をこうさせたか (なにがわたしをこうさせたか) von 金子 ふみ子 (かねこふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 191.571 Zeichen · 383 Bildschirme

Aozora Bunko

はっと思って私は慌てて本を懐の中に入れた。が何しろ四六判四百頁近い本なので懐は不様にふくれ上っていた。祖母はいちはやくそれを見つけて、私の懐の中から本をひったくった。そしてまず「この盗棒め!」と私を盗棒扱いにしてこう続けた。

「お父さんの大事にしている本を盗み出すなんてお前は何という子だ。もし汚したり破ったりしたらどう言ってお詫びするつもりだえ? おそろしい子だよ、お前は……」

祖母たちにとっては、本は読むべきものでなくて、部屋の飾りであったのだ。

祖母はそれをもって部屋に帰った。そしてあたふたと叔父の貧弱な本箱を押入れの中に仕舞い込んで錠をおろした。

私はとうとう、私の最後の友であり世界であるあらゆる書籍から遠ざけられてしまった。学校を出て叔母の家を去るまでのまる二年の間、私は全く何ものをも読むことができなかった。私の読み得る字といっては、ただ私の部屋に貼ってある古新聞の途切れ途切れの文句だけであった。私は毎日のようにそれを読んだ。すっかり暗誦するまでにそれを読んだ。祖母たちが子供には新聞なんか読ませてはならない、という高尚な掟をつくりながら、私の部屋――それは後でまた話すが――に古新聞を貼りつけるなんて、随分と可笑しなことでなければならぬ。