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Japanische Klassiker mit Furigana

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なにがわたしをこうさせたか

何が私をこうさせたか

金子 ふみ子

Lesen Sie 何が私をこうさせたか (なにがわたしをこうさせたか) von 金子 ふみ子 (かねこふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 191.571 Zeichen · 383 Bildschirme

Aozora Bunko

村に還る

高も荷物をもって送ってくれた。

待つ間もなく汽車が着いた。私と祖母とはそれに乗った。

足掛け七年も住んだ土地に別れるのだというのに、私には涙一滴もこぼれなかった。悲しくも心の中ではむしろこう祈っておりもした。

――おお汽車よ! 七年前お前は私を瞞して連れて来た。そうして私をただ独り苦しみと試練とのうちに残して置いたまま行ってしまった。その間、お前は何百度何千度私の側を通ったかも知れん。が、いつも横目でちらと見たばかりで、黙って通りすぎてしまった。だが、今度こそお前は私を迎えに来た! お前は私を忘れてはいなかったのだ。おおどこへでも連れて行ってくれ! 速く、速く、どこへでも。ただ速くこの土地から連れ去ってくれ!

村に還る

郷里の駅に着いたのはそれから三日目の夕方であった。父が以前いたことのある円光寺の千代さんが私を迎えに来てくれていた。

私より二つ三つ年上の千代さんはいちはやく私の姿を見つけて駆け寄って来て私の手を固く握った。

「まあ、ふみさん、よく帰って来ましたね」

「ありがとう。とうとう帰って来ました」

こう言って私達は互いに手を握り合ったまま、しばし無言のままで立っていた。