Japanische Klassiker mit Furigana
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なにがわたしをこうさせたか
何が私をこうさせたか
金子 ふみ子
Lesen Sie 何が私をこうさせたか (なにがわたしをこうさせたか) von 金子 ふみ子 (かねこふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 191.571 Zeichen · 383 Bildschirme
父はこう言った。それでいて父は、私を自分の籍に入れて学校に通わせようと努めるでもなかった。学校に通わせないのはまだいい。では自分で仮名の一字でも教えてくれたか。父はそれもしない。そしてただ、終日酒を飲んでは花をひいて遊び暮したのだった。
私は学齢に達した。けれど学校に行けない。
後に私はこういう意味のことを読んだ。そして、ああ、その時私はどんな感じをしたことであろう。曰く、
明治の聖代になって、西洋諸国との交通が開かれた。眠れる国日本は急に眼覚めて巨人の如く歩み出した。一歩は優に半世紀を飛び越えた。
明治の初年、教育令が発布されてから、いかなる草深い田舎にも小学校は建てられ、人の子はすべて、精神的にまた肉体的に教育に堪え得ないような欠陥のない限り、男女を問わず満七歳の四月から、国家が強制的に義務教育を受けさせた。そして人民は挙って文明の恩恵に浴した、と。
だが無籍者の私はただその恩恵を文字の上で見せられただけだ。私は草深い田舎に生れなかった。帝都に近い横浜に住んでいた。私は人の子で、精神的にも肉体的にも別に欠陥はなかった。だのに私は学校に行くことができない。