Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

なにがわたしをこうさせたか

何が私をこうさせたか

金子 ふみ子

Lesen Sie 何が私をこうさせたか (なにがわたしをこうさせたか) von 金子 ふみ子 (かねこふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 191.571 Zeichen · 383 Bildschirme

Aozora Bunko

言わるるままに私は上ろうとした。その途端私は、私の側に一疋の犬が来ているのを見た。私は犬が大好きだ。犬を見ると私は、何かの因縁につながれてでもいるように引きつけられる。私は犬と遊び出した。

「この犬、叔父さんが飼っているの?」

「ああそうだ」

「何ていうの?」

「エス」

「エス? 変な名前ね、エス! エス! エスお出で!」

エスは尾を振り、頭を振り、跳ねたり、くんくんいったりして私に飛びついて来た。私はまたエスと一緒にそこいらの田のふち、山の裾などを歩いてまわった。

私は朝鮮の叔母の家に飼われていた犬のことを思い出した。あの寒い寒い朝鮮の冬の夜を、莚一枚与えられずに外に寝させられた犬を思い出した。私が飯も食べさせられず、屋外に追ん出されている間、さながら私の苦しみや悲しみをわかってくれているように、尾をふり、首を垂れ、鼻をならして私にすりよって来たあの犬を思い出した。そして、そうした私が、犬の首にしっかりしがみついて、思いきり犬を抱きしめて、ひとり心の中で忍び泣いたことをも。また、夜ひそかに外に出て犬の寝床に藁を敷いてやったことをも。そしてまた、小さい時分、父が刺し殺した犬の哀れな死に様を。