Japanische Klassiker mit Furigana
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なにがわたしをこうさせたか
何が私をこうさせたか
金子 ふみ子
Lesen Sie 何が私をこうさせたか (なにがわたしをこうさせたか) von 金子 ふみ子 (かねこふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 191.571 Zeichen · 383 Bildschirme
私はその願書をもって叔父を訪ねた。ところが、叔父はいつもには似ず浮かぬ顔をして私を迎えた。私はしかし、それには別に気をとめなかった。何と言っても千代さんがいなくなったので寂しくなったのだろうぐらいに考えたからであった。
私は、取るものも取りあえず叔父に願った。
「あの、私、きょう願書書いて来たの、判を捺してね」
「願書!」と叔父は一層むっつりとして私に言った。「うむ、師範の願書だね。それはしかし僕に少し考えがあるから、当分見合わせて欲しいんだ。そして、僕の考えでは何だな、ふみちゃんはやっぱり浜松のお父さんのとこへ帰ったがいいね」
「どうして?」と私はこのだしぬけの叔父の言葉に、すっかりと面くらって訊ねた。
「どうしてッてと言うこともないがね」と叔父はちょっと笑いを見せたが、じきにまたもとの暗い顔にかえってむっつりとした調子で言った。「とにかくわけは後で解るから、今日はこれでお帰り。僕ちょっと忙しいことがあるから……」
ああ何という私の落胆であったろう。最初私は、叔父が本気にそんなことを言っているのではなかろうと考えていた。けれど、こうはっきりと言われてみると、それは決して冗談でもなく脅かしでもないということを信じないわけには行かなかった。