Japanische Klassiker mit Furigana
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なにがわたしをこうさせたか
何が私をこうさせたか
金子 ふみ子
Lesen Sie 何が私をこうさせたか (なにがわたしをこうさせたか) von 金子 ふみ子 (かねこふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 191.571 Zeichen · 383 Bildschirme
私はしかしその苦痛をもじっとこらえた。
希望がその苦痛を克服して余りがあった。
ある日のこと、近くのそばやの女中さんが新聞を買いに来て、小銭があったら替えてくれといった。小銭は無論大分たまっていたので、私は快く換えてやった。
女中さんは同情したように私に言った。
「随分お暑いでしょう、並大抵じゃありませんわねえ」
「ええ」と私は感謝の念で一ぱいになった心で女中さんに答えた。「暑いばかりでなく喉が渇いて声も出なくなるんですよ」
女中はそこで店に帰ったが、しばらくたつと土瓶とお茶碗とを持って来てくれた。中にはそばをゆでたどろどろのお湯が一ぱい入っていた。
「ありがとうございます、ありがとうございます」と幾度か礼を言って私はそれを飲んだ。全くいい気持ちであった。それに元気を回復して、私はまた叫びつづけた。そして喉が渇いて来るとまた、橋の袂の地べたに置いた土瓶を取り上げて飲んだ。
おかげで私は助かった。しかしその代りまた、三、四円小銭がたまるとはすぐ替えてもらいに来る女中さんの願いをもきかなければならなかった。
そうしたことが約半月ばかり続いた頃であった。夜、店に帰って来ると、おかみさんがいつもの通り私の売上げを調べながら不機嫌な顔をして言った。