Japanische Klassiker mit Furigana
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なにがわたしをこうさせたか
何が私をこうさせたか
金子 ふみ子
Lesen Sie 何が私をこうさせたか (なにがわたしをこうさせたか) von 金子 ふみ子 (かねこふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 191.571 Zeichen · 383 Bildschirme
で私は、父の家なんかに帰りたくはなかったが、上京してからこの方、あまり疲れすぎているので骨休めにちょうどいいと思って帰って行った。
生活に疲れ果てた身には、少しでも肉体を楽にしておいてくれることはありがたかった。町そのものさえも、東京のあの騒がしさや忙しさに較べて眠っているような静かさであった。ことに朝はやく起きて海岸を散歩したり、しめっぽい朝霧のこめた田や畑の間を散歩したりなんかするときの爽快さは、何とも言いようのない喜びであった。今こそ私は、自由な天地に逍遥しているのであった。思わず私は、胸をはって、大きな口をあけて、オゾーンを多量に含有している大気を思う存分吸っては吐いて、大地と一つに融け合ったような気持ちになるのであった。
とはいえ、父の家の空気は二年前も三年前も同じであった。父のひとりよがりや、虚栄心や、さもしい見栄や、けちな量見は、事ごとに濃厚に表われて、いちいち私をくさくささせるばかりであった。またしても私は、父といがみ合い、口論し、いやないやな葛藤をのみ繰り返すのであった。
で、私はもう、父の家にはいたたまらなくなって、甲州の方へまわってみた。