Japanische Klassiker mit Furigana
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なにがわたしをこうさせたか
何が私をこうさせたか
金子 ふみ子
Lesen Sie 何が私をこうさせたか (なにがわたしをこうさせたか) von 金子 ふみ子 (かねこふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 191.571 Zeichen · 383 Bildschirme
と私は瀬川の後ろに立つと、自分の着物をひっぱりながら「何してるの?」と、瀬川の机の方に視線を向けた。
瀬川は机の上の手紙を慌ててかくし、抽斗の中へ蔵い込むと、それから机に背を凭らせて寄りかかりながら「まあ、お座り」と言った。
私はもちろん、行儀のいいお嬢さんのようではなかった。不良少女のようながさつものであった。濡れた着物の裾をひらいて膝組みをして座った。
「一体いつ帰ったの?」
「つい四、五日前」
「随分永い旅だね、五十日も六十日もどこをうろついていたんだい? 手紙を出そうにもどこにいるのかわからないしさ、一度ぐらい何とか言って来たってよさそうなものじゃないか」
「だって別に用事もないんだもの」
「用事がない? ふん、するとふみちゃんはあれだね、用事がなきゃ手紙を出さないんだね、離れてりゃ僕のことなんかけろりと忘れてるんだね」
「さあどうだか? あるいはそうかも知れないわ、あなたもそうであるようにね……それはそうと、私おなかが空いちゃった、御飯注文して頂戴よ」
もうしかし、下宿の夕食は済んだ後だったので、瀬川は私におそばを取ってくれた。
電灯のつく頃には雨が止んでいたが、私はもう帰らぬことにして腰をおちつけた。