Japanische Klassiker mit Furigana
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なにがわたしをこうさせたか
何が私をこうさせたか
金子 ふみ子
Lesen Sie 何が私をこうさせたか (なにがわたしをこうさせたか) von 金子 ふみ子 (かねこふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 191.571 Zeichen · 383 Bildschirme
今から考えてそれはどんなにか私の幸福だったろう。のみならず、母が私を、そうする方が私の幸福だと考えたからだと言ったこともうそのような気がする。なぜなら、ほんとにそうだったら、私にたびたび会えないからといって断る理由がないと私は考えるからである。
最後のものを売り損ねた一家はどうにもこうにもならなくなった。家主は毎日のように家賃の居据り催促をする。近所の小店は何一つ貸売りしてくれない。そこで、母と小林とはこっそり相談をしたのであろう、ある夜私達は家財道具のありったけをてんでに背負って夜逃げをした。落ちついたさきは、ずっと場末の木賃宿だった。私達はとうとう「どん底」生活に落ち込んだのである。
私達は三畳の部屋を借りていた。他の部屋には人夫や蝙蝠傘直しや易者や手品師や叩き大工といったような手輩が一緒くたにゴタゴタ住んでいた。多くは雨が降ろうが日が照ろうがブラブラ遊んでいて、いよいよ切迫つまって初めて不精不精に印袢纏をひっかけたり破れ袴の皺をのしたりして出かけた。そして、帰りには安酒を呷ってぐでんぐでんに正体もなく酔っ払って来た。するとまた乱ちき騒ぎが始まる。