Japanische Klassiker mit Furigana
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ひかりあういのち
光り合ういのち
倉田 百三
Lesen Sie 光り合ういのち (ひかりあういのち) von 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.439 Zeichen · 263 Bildschirme
何故なら人間は自由に選び、連るように思っても、実際にははるかにより以上運命によって知り合い結び合うものだからだ。
人間の境遇は普通に考えられているよりはるかに運命に依属したものであり、人間以上の叡智の課題にかかるものだ。我々は人間を裁くよりもその脆さを憐れむ心に先き立たれる。
西村恭一という子は私よりも二つ年上であった。西村家は代々伝わった由緒ある医者であった。大きな、空に聳える樅の樹と、庭に吊した駕籠とが古めかしい家柄を語るように名残を止めていた。その駕籠に乗って恭一君のお父さんは出入したのだ。
この西村家にも不安な血があった。恭一君の伯父も、次兄も常人では無かった。一種の癇癪と誇大妄想とがあった。しかしこの二人の妄想家は気魄と潔癖と学才とがあって、卑しいところは少しもなかった。二人とも大酒であったが、理想家で慷慨家であった。
私とはまるで年が違うので、次兄とも交際は無かったが、後に私が沼のほとりに思索してる頃に、釣竿をかついで、無造作な麦藁帽をかぶって釣りに来た。
「あの雲を見なさい。永遠の理想を追ってあんなに走っているのだ」
と言った。その頃はもう頭が変になっていたのだ。