Japanische Klassiker mit Furigana
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かわいいやま
可愛い山
石川 欣一
Lesen Sie 可愛い山 (かわいいやま) von 石川 欣一 (いしかわきんいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 98.791 Zeichen · 196 Bildschirme
目の下は平地でそこには大町の町が南北に長く、その向うは山である。連華、爺、鹿島槍、五龍……大変な雪だ。真白で、目が痛い。やがて梅雨になると、その雪は大部分とけて了う。惜しい。だが、雪のとけるのを待っている、いろいろな草のことを考えると、大して惜しくもない。
まっ白な雪渓に、すこしばかり茶色がかった「ザラ」の見えるのがある。それは雪崩が持って来たザラである。やがて人が上を行くようになると、雪はだんだんきたなくなる。
「爺の種蒔き爺さんはあれです」と、一緒に行った慎太郎さんが指さして教えてくれるが、一向判らない。そこでマッチの軸で地面に絵をかく。なるほど、三つある爺のピークの、左二つの間に、そういわれればそうと見える雪の消えた場所。左向きのプロファイルだ。鍬をかついで、笊を持って。よく見ていると元気そうなおじいさんにも見えるし、またとんでもない物、例えば出来そこなったビール瓶とも思われる。ポロニアスに同情する。
こうみ――香味か――というものの、おひたしを食った。細いわらびみたいなもので中々うまい。だがそれよりうまかったのは、鹿島入りから炭焼きのじいさんが持って来たという、生の椎たけであった。