Japanische Klassiker mit Furigana
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かわいいやま
可愛い山
石川 欣一
Lesen Sie 可愛い山 (かわいいやま) von 石川 欣一 (いしかわきんいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 98.791 Zeichen · 196 Bildschirme
大町に着いて電車を下り、クルリと空を眺め廻す。天頂いささか雲切れがして青が見えるが、それでも雲の動きが早いので、いつ隠れるか判らない。冬外套の襟を立てて、ガランとした広い路を歩く。
対山館の三階の山に面した部屋。三重に覆いをかけた大きな炬燵に肩までもぐり込んで、S、K両氏と話をする。一昨日は悪い天気で心配したが、昨日は実にいい天気で、この調子なら二、三日は大丈夫と思っていたのに今日はまたこんなありさま、だが午後からは晴れるかも知れないと、亀の子のように首をのばして、硝子ごしに北西の方角を見ると、籠川のあたり濛々と霧雨が渦をまいている。時々、バラバラと時雨れて来る。これが山では雪、カラッと晴れると、本当に綺麗な雪の尾根が見えるんだが……と言ったところで、カラリと晴れないのは仕方が無い。バットを喫い茶をのみ、むなしく数時間を送ったが、さりとて無聊に苦しんだのでもない。半年ぶりに逢った友達とは、かなり話の種がわいて来る。
昼からちょっと東の方の山へ行った。この山、乗越を越えた所に鳥焼きの場所があり、実は天気さえよければ天幕をかついで出かけ、明日未明に鳥がカスミにかかるのを見て帰るつもりだったが、第一天気はこの通り、おまけにヒューヒュー風が吹くので、山の裾から引っ返して予定の如く仁科へ寄り、店の炬燵にがんばっ