Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うもんとりものちょう

右門捕物帖(三)

佐々木 味津三

Lesen Sie 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.558 Zeichen · 480 Bildschirme

Aozora Bunko

「手荒なまねをすりゃこわれちまわあ。――寒いとみえて、くちびるが紫色だな。ほら、これを首にでも巻いていな」

おのが羽織をぬぎ取りながら、きょうだいふたりのえりもとへふんわりかけてやると、黙々としてややしばしじいっとふたりの面を見守っていましたが、じわり、その目に涙をためながら、やさしくいたわるようにいいました。

「二、三日何も食べないとみえて、だいぶおなかがすいているようじゃな。右門のおじさんの目に止まったからにゃ、どんなにでも力になってしんぜるぞ」

「…………」

「泣くでない、泣くでない。さぞかし、ひもじいだろうな。伝六ッ」

用もないのに、こういうときにこそ、おらがだんなのすばらしいところをいばらねば、といわぬばかりで、群衆の間をあちらにまごまご、こちらにまごまごと泳ぎまわっていたあいきょう者を鋭く呼び招くと、ずばり命じました。

「そこの横町へはいれば、大福もち屋があるはずだ。大急ぎで百ばかり買ってきな」

「え? 百! 数の、あの、数の百ですかい」

「決まってらあ。数の百だったらどうだというんだ」

「いいえ、その、ちっと多すぎるんでね、残ったあとをどうするんかと心配しているんですよ」