Japanische Klassiker mit Furigana
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めいきょくけっていばん
名曲決定盤
野村 あらえびす
Lesen Sie 名曲決定盤 (めいきょくけっていばん) von 野村 あらえびす (のむらあらえびす) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 344.837 Zeichen · 680 Bildschirme
プシホダ Vasa Prihoda
プシホダのレコードが、初めて日本へ入って来たのは、震災の直後であった。ドイツ・グラモフォンの、かき餅のような片面レコードに入った、『ラ・フォリア』や、パガニーニの『コンチェルト』や、『ツィゴイネルワイゼン』に、我らが驚異の眼を見張ったのも無理ではなかった。
マルシャーク門下の逸材、その当時パガニーニの再来と言われたプシホダの技巧の冴えと、それにもまして、普通のヴァイオリンから出る音とは、どうしても想像することの出来ない妖艶極まる音色が、エルマンやクライスラーをレコードで聴き馴れた我々にとっては、全く一つの驚きにほかならなかったのである。
その頃私などは、極力プシホダを求めて、その不思議な音の魅力に陶酔した。それは妖気をさえ感じさせる不思議な音であった。異教的な音と言ってもいい。タンノイザーが、ヴィナスの洞窟で聴いた音に似ていたかも知れない。
そのうちに、我らのプリホダと呼び慣れているのは、発音の誤りで、ボヘミア語であれは、プシホダと読むのだと、――亡くなった九大の榊博士に教わったりした。榊博士は若返り法の手術と共に、音楽通として、九大管弦団の指揮者として有名な人であった。