Japanische Klassiker mit Furigana
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やまとこじふうぶつし
大和古寺風物誌
亀井 勝一郎
Lesen Sie 大和古寺風物誌 (やまとこじふうぶつし) von 亀井 勝一郎 (かめいかついちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.647 Zeichen · 215 Bildschirme
東大寺
天平の花華
この想像はしかし基督教的であろう。カソリック教会堂でみた天使の姿がこのみ仏に通じたのかもしれない。このことはまた一つの疑問を私に与える。何故仏像には翼がないのであろう。一つぐらいありそうなものだ。仏像とは限らぬ。法隆寺天蓋の天人をみても、薬師寺東塔水煙の天女を仰いでも、或は宇治平等院鳳凰堂の雲上供養仏に接しても、翼はみあたらない。翼がなければ飛べないというのは西洋風の理窟であって、東洋の神仏も天人も生身のまま大空に遊行するのであろうか。その方が神仏としてふさわしいことはたしかだ。あるいは翼をもつほどならいっそ鳥と化してしまう。白鳥となって飛び立つ美しい伝説がある。また仏法には転生が屡々説かれている。
だが千手観音をみると、やはり翼があった方がいいように思う。千本の腕まで写実するくらいならばむしろ翼を与えよと云いたい。円柱に寄りそって一息ついた善男善女が、やがて純白の翼をひろげた観世音菩薩を御堂に仰いだときの思いを私はふと想像したのである。
――昭和十七年秋――
東大寺
天平の花華
佐保山に鎮る聖武天皇ならびに光明皇后の御陵に参拝したのは昨年の秋であった。