Japanische Klassiker mit Furigana
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やまとこじふうぶつし
大和古寺風物誌
亀井 勝一郎
Lesen Sie 大和古寺風物誌 (やまとこじふうぶつし) von 亀井 勝一郎 (かめいかついちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.647 Zeichen · 215 Bildschirme
講堂の址
か。一つ一つは実に立派だが、この並べ方では、仏像の剥製博物館といった感じがある。
四天王の美は、戒壇院を頂点とする。この系統のものとしては、他に興福寺の阿修羅像だけを私は美しいと思う。新薬師寺の十二神将に至っては、もはや信仰が病的状態に入ったことのあらわれとしか思えないのである。人心の狂乱と苦悩を深奥に抑え、ひたすらな合掌と半眼に一切を耐えてこそ仏と菩薩の像は成立つ。不空羂索観音の有難さもそこにあることは既に述べたとおりである。熱烈な夢や憤怒や悲哀に耐え、祈る、その昇華の刹那にのみ仏は在すのであろう。人間感情の露骨な表現を仏体にもとめて、そこに彫刻美を云々するのは邪道でなかろうか。しかもこの一切を黙ってひきつれて、なおゆるぎなく合掌する不空羂索観音の威容は、天平のあらゆる苦悩と錯乱の地獄から立ちあらわれた姿として、益々光芒を放つのだ。
――昭和十七年秋――
講堂の址
わづかに残る礎に寄せて詠める
ひまなくぞ雨はふりけり
足曳の三笠の山のふもとなるこの夕はも
松が枝のしづくにぬれて
秋草に 黙し伏す巨きいしずゑ
遠つ代の聖の帝が御夢を うつつに偲ぶしるしかな
いのちあらば語れ