Japanische Klassiker mit Furigana
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やまとこじふうぶつし
大和古寺風物誌
亀井 勝一郎
Lesen Sie 大和古寺風物誌 (やまとこじふうぶつし) von 亀井 勝一郎 (かめいかついちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.647 Zeichen · 215 Bildschirme
円柱と翼
或は大唐の文化に学び、数々の寺院を建てて、漸く円熟自在の境に入った天平建築家の感覚が、おのずからこうした状景をつくり出したのであろうか。乃至はもっと後代の作為なのか。それとも秋の光りの戯れなのか。
ともあれ私はこれら伽藍の周囲をめぐりながら、様々の方角から眺めつつ、そのたびに変化する建築の妙味に陶然とするのである。これは伽藍の交響楽だ。透明な秋空にひびきわたるかと思われるほど鮮かな輪郭をもってそびえている。
――昭和十七年秋――
円柱と翼
唐招提寺の金堂を訪れた人は、誰しもその見事な円柱に心をとめるであろう。円柱が全姿をあらわに並列しているのは、大和古寺のなかでもこの寺以外にはない。私は写真の上で、遠い希臘羅馬の神殿の址にそそり立つ円柱をみたことがあるが、ああいう石造の感じはどんなものであろうか。おそらく冷厳に、しかし月光などが照らし出したならば異様な光りを放つのではなかろうか。わが古寺の円柱は云うまでもなく木造であるから、光りを反射することは少い。むしろ光りを吸収して、柔くその木目のあいだに湛えると云った方がいいようだ。月光の下で眺めたならば、一旦吸いこんだ光りが幽かににじみ出るといった風に輝いているのではなかろうか。