Japanische Klassiker mit Furigana
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やまとこじふうぶつし
大和古寺風物誌
亀井 勝一郎
Lesen Sie 大和古寺風物誌 (やまとこじふうぶつし) von 亀井 勝一郎 (かめいかついちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.647 Zeichen · 215 Bildschirme
唐招提寺
秋
しかし私は結局、薬師寺の東塔に最も感心するのである。法隆寺の塔のもつ森厳な風格に比すれば稍々華かではあるが、同時に雄大な落着をそなえていて微塵の不安も与えない。西塔はすでに崩壊して、わずかに土壇と礎を残すのみであるが、東塔はよく千二百年の風雨に耐えて、白鳳の壮麗をいまに伝えている。某という僧が定に入って夢みた竜宮の塔を、うつつに現出したものといわれるが、かような様式はわが国にも唯一つこの東塔あるのみ。
――昭和十七年秋――
唐招提寺
秋
薬師寺から北へ三丁ほど歩いて行ったところに唐招提寺がある。この道筋には古風な民家が散在し、その破れた築地のあいだより、秋の光りをあびて柿の実の赤く熟しているのが眺められた。燻んだ黄色い壁と柿のくれないとがよく調和して美しい。また辺り一帯には松の疎林があり、樹間をとおして広々とした田野がみえる。刈入れのすんだところは稲束が積みかさねられ、畔道には薄が秋の微風をうけてゆるやかになびいている。すべて古の平城京の址である。
唐招提寺も薬師寺と同じく右京に位しているが、建立された年代からいえば、薬師寺よりおよそ四十年の後である。