Japanische Klassiker mit Furigana
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やまとこじふうぶつし
大和古寺風物誌
亀井 勝一郎
Lesen Sie 大和古寺風物誌 (やまとこじふうぶつし) von 亀井 勝一郎 (かめいかついちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.647 Zeichen · 215 Bildschirme
天皇憐愍して使を遣して犯状の軽重を覆審せしむ。是に於きて、恩を降して咸くに死罪已下を免し、並に衣服を賜ひ、其れを自ら新にせ令む。」――のごとき有様もうかがわれる。
しかも更に十年、国内の平穏は容易にもたらされず、憂悩の詔は幾たびか発せらる。藤原広嗣の反乱さえ起るに及んで遂に意を決し、東大寺はじめ諸国分寺造営の大悲願を起されたのであった。大仏鋳造は仏法流布という外的事情のみに基くのではない。天皇心奥の深き祈りに発した乾坤一擲の願であって、天平十三年の詔のごとき、その悲痛な思いと壮麗な御夢とを率直に述べてあますところがない。即ち、
「朕薄徳を以て忝く重任を承けたり。未だ政化を弘めず寤寐にも多く慚づ。古の明主は皆先業を能くして国泰かに人楽しみ災除かれ福至れり。何の政化を修め能く此の道を臻さむ。頃者年穀豊かならず、疫癘頻りに至り、慙懼交集りて、唯労して己を罪す。是を以て広く蒼生の為に遍く景福を求む。故に前年駅を馳せて天下の神宮を増し飾へ、去歳普く天下をして釈迦牟尼仏の尊像高一丈六尺なるもの各一鋪を造り並に大般若経一部を写さ令めき。今春自り已来秋稼に至り風雨序に順ひて五穀豊かに穣れり。