Japanische Klassiker mit Furigana
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やまとこじふうぶつし
大和古寺風物誌
亀井 勝一郎
Lesen Sie 大和古寺風物誌 (やまとこじふうぶつし) von 亀井 勝一郎 (かめいかついちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.647 Zeichen · 215 Bildschirme
縁起によれば、昔時この附近に上宮太子創建と伝えらるる香薬師寺とよぶ寺があった。その後天平の御代となって、聖武天皇が眼病を患い給うた折、光明皇后がこの寺に御平癒を祈念されたところ、幸にして恢復され、叡感のあまりその香薬師如来を胎内仏として、丈六の薬師如来を行基をして造顕せしめた、由って現在の寺が草創されたという。胎内には、聖武天皇宸筆の薬師本願経、法華経一部、皇后筆の金剛般若経、法華経一部、ならびに仏舎利五粒をともに奉納したと伝えられる。ところで孝謙天皇即位の頃には、太上天皇(聖武帝)は七堂伽藍東西両塔を建立され、善美をつくした伽藍が現出し、つねに一千の僧侶を住せしめた。現在の南大門前の田畑及び旧聯隊の敷地はおおむね当時寺域の一部であったといわれる。その後、宝亀十一年大雷雨によって伽藍の大方は炎上し、いまに残る御堂としてはわずか金堂のみ、胎内の香薬師も現在は別の堂に安置されてあり、金堂の本尊も弘仁初期の造顕、ただ十二神将だけが天平の面影をとどめているにすぎない。
香薬師は白鳳仏と称されているので、上宮太子の祭られたみ仏であるかどうかはむろん不確かであり、香薬師寺のことも伝説であろうと思う。