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Japanische Klassiker mit Furigana

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やまとこじふうぶつし

大和古寺風物誌

亀井 勝一郎

Lesen Sie 大和古寺風物誌 (やまとこじふうぶつし) von 亀井 勝一郎 (かめいかついちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.647 Zeichen · 215 Bildschirme

Aozora Bunko

僕は時々陶器蒐集家として著名な或る友人を訪れ、様々の陶器をみせて貰うのだが、僕はそれらを比較し鑑賞する。必ず比較するのだ。この比較癖が頑固な習性となって、僕らの信仰や愛情を知らず知らずの裡に歪めているのではなかろうか。一つの茶碗を熱愛し、この唯一つにいのちを傾けるだけの時間をもたぬ。他の二三の茶碗を手にとって、素早く比較し、比較において味うという態度には、近代人の致命的な弱点がひそんでいるのではなかろうか。

僕は近頃、博物館について益々疑惑を抱くようになった。便利といえばこれほど便利なものはない。僅かの時間で尊い遺品の数々に接することが出来る。しかし僕らは博物館の中で、何かしら不幸ではないか。東京の国立博物館でも、奈良博物館でも、法隆寺宝蔵殿でも、ふっと空虚な淋しさを感ずることがある。病院の廊下を歩いているような淋しさだ。僕ははじめそれが何に由来するかわからなかった。古仏が本来その在るべき仏殿から離れて、美術品としてガラスのケースに幽閉された時の淋しさはむろんある。だがケースに陳列してそれほど不自然にみえない筈の工芸品にしても、博物館にあると急に白々しくなる。