Japanische Klassiker mit Furigana
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やまとこじふうぶつし
大和古寺風物誌
亀井 勝一郎
Lesen Sie 大和古寺風物誌 (やまとこじふうぶつし) von 亀井 勝一郎 (かめいかついちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.647 Zeichen · 215 Bildschirme
信仰ではなく、却って彫刻家意識がこの誤りを招いたのかもしれない。
私は様々の仏像を拉し来って品さだめするなどは、実に堕落であり恐縮であると思っているが、中宮寺思惟像の無比なる所以を語ろうとしてついこんなことになってしまった。
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ところで西洋人がつくった様々の彫刻のなかで、とくに思惟の像とも云いうるのは何か。それは比較しうべきものなのであろうか。私はふとロダンの「考える人」を思い出した。そしてこの二つをいつとはなく比べて考えるようになった。如意輪観音が「男にも非ず女にも非ざる」一切諸法を具現しつつ、なお清純な乙女を彷彿せしむるのに対し、ロダンの「考える人」は男性中の男性である。中宮寺の思惟像はわずかにうつむいているが、「考える人」は殆ど倒れるばかりに面を伏せて、頑健な右腕が顎をぐっと支えている。身もだえするごとく右肩を内側にひきしめ、全身の筋肉がふしくれだってそのまま凝結したようにみえる。あの写真をみて私のうけた感じを一口に云えば、思惟の苛烈さということだった。これが思想というもののもつ受難の相であろうか。顔面は極度に緊張し、思惟の重圧に額が破れるかと思われるばかりだ。