Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠1

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.314 Zeichen · 398 Bildschirme

Aozora Bunko

「みどりさん、かさねがさねお気の毒」

間着を脱げば下は襦袢。

「どうぞ御免あそばして」

みどりは腕を組んで固くそこに突伏してしまいました。

「何という騒ぎだ」

水汲みに出た与八は、手桶を井戸側に置いて、奥庭の彼方に見える広間の障子に入り乱れた影法師を見ながら突立っていると、庭の石燈籠の蔭で、人らしいものの形が動く。

「はて誰だんべえ、あんなところに人のいるはずがねえ」

与八はつるべ縄へ掛けた手を休めて見ていると、その人の影は泉水の池のほとりから奥殿の廊下の方へと進んで行きます。泥棒だ、泥棒に違えねえ、

「泥棒!」

与八が大きな声で叫ぶと、その声は外なる怪しの男よりも、家の中の大一座を驚かして、障子を蹴開いて廊下へ走り出でます。

二十八

その翌日の朝、与八は竹箒で庭を掃いていますと、ほかの女中は昨夜の疲れで寝ているのに、みどりの部屋のみは障子があいて、もう起きているようです、それとも夜通し寝なかったものか。

それとは知らずに掃いて来た与八は、

「これは、みどり様、お早うございます」

箒の手を休めて、頬冠りをちょいと外してお辞儀をする。

「与八さん、たいそう早く御精が出ますね」