Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠1
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.314 Zeichen · 398 Bildschirme
十六
芹沢の屍骸の上には、夜眼にも白くお梅の身が共に冷たくなって折り重なっている。
近藤勇をはじめ四人は、そのままにしておいてこの場を引上げた。
滑稽なことはその翌日、壬生寺で、昨夜殺された芹沢鴨の葬式があったが、その施主が近藤勇であったこと。勇は平気な面をして、自分が先に立って焼香もすれば人の悼辞も受ける。
会津侯へは、昨夜盗賊が入って、そのために芹沢が殺されたと届けた。これも滑稽な話で、新撰組の屯所へ入る盗賊があると思うのも、あったと届けるのも、共に虫のよい骨頂であるが、表面はそれで通った。
新撰組の内訌もこれで片がついて、芹沢の子分は二三人、姿をくらました者もあった。勘定方の平間重助なども逃げてしまったが、大体は大した変りなく、その全権は近藤勇の手に帰して、土方歳三はその副将となる。近藤勇が京の地を震わすのはこれから。
十六
夜明け烏の声と暁の風とで、ふと気がついた机竜之助は、自分の身が、とある小川の流れに近く、篠藪の中に横たわっていることを知った。それでも刀だけは手から離さず、着物は破れ裂けて、土足には突傷かすり傷。
「ああ」
起き返ろうとしたが節々が痛い、じっとしていれば昏々として眠くなる、小川の縁へのたって行って水を一口飲んで、やっと気が定まる。