Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠1

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.314 Zeichen · 398 Bildschirme

Aozora Bunko

兵馬は二人の立ち止まったところへ押しかけて、

「ちょっと物をお尋ね申す、壬生の地蔵へはどう参りましょうな」

「ナニ、壬生の地蔵へ――」

「壬生の地蔵寺から南部屋敷の方へは?」

「南部屋敷を尋ねらるる、どうやらその声は聞いたようじゃ」

これは井村の声で二足三足、兵馬の方へ近寄って来ます。

「やあ、宇津木君ではないか」

「その声は井村氏か」

井村は、こんなところで兵馬に遭うことをまことに意外と思い、同時に不安が湧いて来るらしく、

「どうして今頃、こんなところを……貴殿にも似合わない」

「七条へ参っての帰りがけ、つい道に迷うて」

「ハハ、なるほど、この道は貴公らの迷うべき道じゃ。ここを真直ぐに行くと、あの明るい里。あれ、微かに三味太鼓の音も聞ゆるは、あれが我々共の極楽世界。君のたずぬる壬生のお寺は、あれあの高い屋根の棟がそれよ」

田圃の中に、黒く高く湧き立った地蔵寺の大屋根を指す。

「あれが地蔵寺……なるほど、そういえばここが島原、それでわかった」

「待て待て、宇津木」

「何か用か」

「これから直ぐに壬生へ帰るか」

「帰る」

「それはいかん、ここまで来ては、もう逃がしっこなし」

井村は兵馬の袖を捉えて、非常に気味の悪い言葉遣いで、