Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠1
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.314 Zeichen · 398 Bildschirme
「御免よ」
小間物の荷を背負った町人風の男が入って来ました。
「爺さん、今晩は」
荷物を手近へ卸して腰をかけた小間物屋は、腰から煙草入を取り出しながら横目で七兵衛をジロリ。
七兵衛も、この小間物屋をひょいと見る、おたがいに目つきが変だと思います。
「これは福造どの、今日は遅いことじゃな」
飯屋の親方は、心安そうな口の利き方。
「今日は、南部のお屋敷で品物を取拡げ、それがため暇をとりましたわい」
「はてな、南部のお屋敷へ小間物屋とは、ちとお門が違いそうじゃがな」
「そのお門違いのところで思いがけない売上げを見たものさ、だから商売は水物だよ」
「なるほど、あのお屋敷へ小間物が売れようとは、誰も思いがけない、浪人衆が小間物とは、坊さんに簪のようなものかねえ」
「あれでお前、表は厳めしそうなれど、裏からは、祇園、島原あたりから市兵衛駕籠が乗り込むというものさ」
「そうですかな」
親方は感心したような顔をしながら銚子を持って来る。
「爺さん、やっぱり、鰻がいいね」
小間物屋は、グビリグビリとはじめて、親方との話が途切れると面を七兵衛の方へ持って来て、
「少し曇ってきたようですね」