Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠1
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.314 Zeichen · 398 Bildschirme
「うむ……」
煮え切らない含み声で、気を折られた様子が見える。
「よし、君はそこにいて、拙者と井村との勝負を見届けておいてくれ給え」
こう言われて、溝部はいよいよ行詰まったらしく、中立とも言わず、加勢とも言わず、柄にかけた手の扱いに困った様子でしたが、
「いや、御両所、まあまあ待ち給え」
急に変って留め役と出かけ、
「どちらにしても同志打ちはよくない、拙者に任せ給え。井村、君何か知っておるなら、宇津木君に言ってしまい給え」
「知らんというに」
井村は、この時、そこにあった盃洗を取るより早く、兵馬をめがけて投げつけたのが、盃洗は床柱に当ってガッチと砕ける、水は飛んで室内に雨をふらす。そうしておいて井村は、刀を抜きかけて来るかと思うと一散に逃げ出してしまいました。
兵馬は、井村を取逃がし、組みついた溝部を抛り出して、ひとり角屋を出て来た。その道々思うよう、
「自分は、新撰組を出よう。もとより自分の目的は、新撰組に加盟することではなかった、ただ、兄の仇を討たんがため、近藤、土方ら先輩の力を頼りに、ついついその組の一人とはなったが、どうも久しく足を留むべきところではないようだ」