Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠1
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.314 Zeichen · 398 Bildschirme
海蔵寺の東妙という坊さんは、気の軽い、仕事のまめな方丈様で、与八とは大の仲よしです。
「与八、弾正殿の三年忌になるで、早いものだなあ」
「そうだなあ、大先生が死んでから、もう三年も経つかなあ」
「わしも、碁敵が一人減って淋しいや、しかしまあ仕方がねえ。時に、あの倅殿にも困ったものだて」
「若先生か」
「竜之助め、今どこにいることだか」
と言って話をするうちに寺へ着く。
東妙和尚は、広い庭の真中に植えられた大きな枝垂桜の下の日当りのよいところに筵を敷いてその上で、石の地蔵をコツコツと刻みはじめる。
郁太郎を背負ったなりで与八は和尚の傍へ坐り込んで、
「出来たな、やあ、相好のいい地蔵様だ」
「これから錫杖の頭と、六大の環を刻めば、あとは開眼じゃ」
「方丈様、どこへこの地蔵様をお立てなさるだね」
「うむ、これを立てるところか。それはな、ちっとばかり風の変ったところへ立てるつもりだよ」
「どこだえ、この寺のお庭かえ、この桜の下あたりがいいな」
「いや、こんなところじゃない、わしは、ずっと前から思いついていたのじゃ、ほれ、大菩薩峠の天辺へ持って行って立てるつもりだ」
「大菩薩峠の天辺へ……」