Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠1
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.314 Zeichen · 398 Bildschirme
父こひし、母こひし、
こひし、こひしと泣く声は、
与八はあとをつづけて、
さいの河原に集まりて、
父こひし、母こひし、
こひし、こひしと泣く声は、
和尚は先へ進んで、
この世の声とはことかはり、
悲しさ骨身を透すなり、
「方丈様、なんだか悲しくなっちまった」
与八の眼には涙がいっぱいです。
「有難い地蔵様のお慈悲じゃ、涙もこぼれようわい。我々凡夫の涙は、蜆貝に入れた水ほどのものじゃ、地蔵様の大慈大悲は大海の水よりも、まだまだ広大。それ我々凡夫は、ちょっとしたことにも悲しいの、嬉しいの、すぐ安っぽい涙じゃが、この無仏世界の衆生の罪障をごらんになる大菩薩の御涙というものは、どのくらいのものか測り知れたものでない。南無延命地蔵大菩薩、おん、かかか、びさんまえい、そわか」
「そういえば、そうだなあ。俺らは一人の子供の身の上でも心配すると泣き切れねえことがある、お地蔵様がこの世間をごらんになったら、さぞ辛いことだんべえ」
「そうだ、そうだ、それから次を唱えて聞かすぞ――」
かのみどり子の所作として、
河原の石を取り集め、
これにて回向の塔を組む、
一重、組んでは父のため、
二重、組んでは母のため、