Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠1
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.314 Zeichen · 398 Bildschirme
「まあ……」
「お前さんが、旅の人に助けられたことも、薬屋へ送り届けられたことも、薬屋で養生をしてもとの身体になったことも、直ぐわかりましたよ。だからわしはお前さんの家へ忍び込んで、お前さんを奪い出そうとこう思ったがね、荒っぽいことをする前に、一応お前さんに直接に会って、わしの心の丈をよく聞いてもらった上のことにしようと、毎日毎日、お前さんをつけ覘っていたが、お前さんはまるきり外出をなさらぬ。いよいよ今晩こそと、思い込んだ矢先、お前さんは大急ぎで二階から下りて、植田のお陣屋の方へ行きましたね、占めたとわしはあの時から、お前さんのあとをつき通しで、ここまで来たのですよ」
ああ、どこまで執念深い男であろうとお豊は身慄いを止めることができません。
「金蔵さん、お前のお心は有難いけれども、どうぞ堪忍して下さい」
「お豊さん、心配しなくてもいいよ。わしはここでは、手荒いことはしませんよ、ただ今晩は、お前さんに、わしの心の丈を聞いてもらいたいのだよ」
「金蔵さん、おたがいに、もうそんなことをよしましょう、わたしは帰ります」
「帰しません、一通り、わしのいうことを聞いてくれなければ、ここは動かせないのですよ、お豊さん……お前さんのために、わしがどれほど苦労したか、お前さんは知るまいねえ」