Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠1

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.314 Zeichen · 398 Bildschirme

Aozora Bunko

「さあ、お入りなさい、ここはわたしの家で、婆やと猫が一疋いるばかり」

十八

甲州本街道の方は、新宿から八王子まで行く間に五宿、府中、日野まで相当の宿々もありますけれど、裏街道ときてはただ茫々たる武蔵野の原で、青梅までは人家らしい人家は見えないと言ってもいいくらいです。

ことにこの青梅街道の中で丸山台というところあたりは追剥の類が常に出没して、日の中に心強い人連れでもなければ屈強な男でさえ容易にここを通りません。まして日の暮や夜は無論のこと。それを今日は珍らしく、まだ有明の月が空に残っているうちに、馬の鈴の音がこの丸山台のあたりで聞えます。そして朝露をポクポクと馬の草鞋に蹴払って、笠を被った一人の若い馬子が平気でこの丸山台を通り抜けようとしております。大方、江戸を夜前に出て近在へ帰る百姓でありましょう。

それにしても大胆な。馬子でも思慮のあるものは今時分ここを一人歩きはしないものを。それもそのはず、この若い馬子をよく見れば、かの万年橋の下の水車小屋の番人、馬鹿の与八ですもの。馬鹿ですから怖いもの知らずです。

馬の背中には大きな行李が三つばかり鞍に結びつけられて、その真中に丈三尺ばかりのお地蔵様の木像、どこから持って来たか、大分に剥げて、錫杖の先や如意宝珠なども少々欠けておりますが、それを馬の背