Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠1
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.314 Zeichen · 398 Bildschirme
ど、あの分で行ったら竜之助という人は決していい死にようはなさらねえ、もしや江戸にござらっしゃるかと昨日も一昨日も探して歩いたが、お江戸だって広いや、なかなか見つかりゃしねえ、見つけたら意見をして引張って来べえと思ったが駄目なこんだ」
与八はしきりなく独言をつづけましたが、この時また地蔵様を振返って、
「まあいいや、大先生の分も若先生の分もおらが分も一緒に、このお地蔵様に信心をしておくべえ……」
独言が途絶えて、馬のポクポクと歩く音が林の中へひっそりと響いて行く。
ややあって与八はまた独言です。
「それからわからねえのがあのお浜という女よ、若先生から頼まれて水車小屋へ担いで来た、俺あの時のことを思うとゾッとする、今まであんな悪いことをした覚えはねえ……それにあの女が若先生に文を届けてくれろと、あの試合の日、おらがところへそっと持って来た、どうも、あの女がおらがには解せねえ女だ」
こう言っているうちに与八と馬とは丸山台の難所を三分の一ほど通り過ぎて、行手の木蔭に焚火でもあろうか火の光を認めました。
「やあ、火が燃えてるな」
与八は何の気なく手綱を取って行くと、その火のあたりで物騒がしい人声です。