Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠1

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.314 Zeichen · 398 Bildschirme

Aozora Bunko

お爺さんが汲んで来ましょう、お前はここで休んでおいで」

腰なる瓢箪を抜き取ると、

「いいのよ、お爺さん、あたしが汲んで来るから」

女の子は、老人の手から瓢を取って、ついこの下の沢に流るる清水を汲もうとて山路をかけ下ります。

老人は空しくそのあとを見送って、ぼんやりしていると、不意に背後から人の足音が起ります。

「老爺」

それはさいぜんの武士でありました。

「はい」

老爺は、あわただしく居ずまいを直して挨拶をしようとする時、かの武士は前後を見廻して、

「ここへ出ろ」

編笠も取らず、用事をも言わず、小手招きするので、巡礼の老爺は怖る怖る、

「はい、何ぞ御用でござりまするか」

小腰をかがめて進み寄ると、

「あっちへ向け」

この声もろともに、パッと血煙が立つと見れば、なんという無残なことでしょう、あっという間もなく、胴体全く二つになって青草の上にのめってしまいました。

三

「お爺さん、水を汲んで来てよ」

瓢箪を捧げた少女は、いそいそとかけて来たが、老人の姿の見えぬのを少しばかり不思議がって、

「お爺さんはどこへ行ったろう」

お堂の裏の方へでも行ったのかしらと、来て見ると、