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Japanische Klassiker mit Furigana

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たぬきじる

完本 たぬき汁

佐藤 垢石

Lesen Sie 完本 たぬき汁 (たぬきじる) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 133.158 Zeichen · 273 Bildschirme

Aozora Bunko

これを二十杯ずつ回し飲みにして、雄を称せよ、という御意であったのである。そこで、諸豪は何れも口を任せ、競うて呷りつけた。ついに大杯が、一座を六、七巡に及んだ。すると、大いに酩酊した。東西も分からず、ふらふらとなってしまった。そのうち一番ひどかったのは平希也で門外に潰れて動けなくなった。次に降参したのは藤原仲平で、殿上に小間物屋開店に及んだ。他の連中にも我にして我にあらず、泥之泥也。

中には、舌が縺れて口がまわらず、鳥が囀るような声を出すのもある。藤原経邦の如きに至っては、はじめ快飲を示していたけれど、とうとう心身共に蓬けてしまい、げろを吐いて窮声喧々という有様だ。ところが、この厳しい合戦にわずかに態を乱さなかったのは藤原伊衡一人で、法皇からご賞詞があり、褒美として駿馬一頭を賜わった。けれど、御意の二十杯には達せず、その半分の十杯を飲んだだけで、後は、

『もはや、叶わぬ』

と、掌を横に振った。時に漸く夏日暮れんとし、笙歌数奏。豪勇ども各々纏頭、這うようにして帰った――

このころの、酒の価についての文献は見当たらぬ。もっとも、この酒合戦は雲上で行なわれたことであるから、酒の値段など詮議しないでもよろしかろう。