Japanische Klassiker mit Furigana
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たぬきじる
完本 たぬき汁
佐藤 垢石
Lesen Sie 完本 たぬき汁 (たぬきじる) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 133.158 Zeichen · 273 Bildschirme
だから、二人位で食べるとすれば、別の小鍋に大鍋の方から一合ほど汲み出して移し、これに真水一合を加えてさらに火に掛けるのである。加役は牛蒡を薄くそいだのがよろしかろう。再び充分に沸らせたならば、塩と醤油で薄く味をつけ、碗に注いで根深を細かく刻んで添える。口で吹くほど熱いのが、すっぽんの羮の至味であろう。
料亭の調理には鰹節、昆布、味の素、鶏肉スープなど加味するのがあるけれど、そのような補助味を用いると、すっぽん本来の風味を消して烹調の法に適っていない。
煮こごりが素敵である。晩秋から冬へかけて、すっぽんの羮を一夜置くと翌朝は煮こごりとなっている。これは、酒の肴として絶品の称がある。夏の間でも、冷蔵器に入れて一夜置けば同じことだ。また、佃煮にこしらえるのもよろしい。肉と臓腑と頭、手、足、甲羅の縁などを細かく刻み込み、これに薑を加えて生醤油を注ぎ、炭火で気ながに煮詰めるのであるが、こんな贅沢な佃煮は他にはないかも知れぬ。
私が杯を傾ける間、蝶子夫人はこんな風に細々とすっぽんの割烹について語った。そして最後に、父が豊前国から持ってきたすっぽんは、まだ二宮の家に二匹飼ってある。