Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうせつ ほととぎす
小説 不如帰
徳冨 蘆花
Lesen Sie 小説 不如帰 (しょうせつ ほととぎす) von 徳冨 蘆花 (とくとみろか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.742 Zeichen · 256 Bildschirme
川島君も承諾してくれたから、願って置いた通り――御印がありますか」
証書らしき一葉の書付を取り出して山木の前に置きぬ。
千々岩の身辺に嫌疑の雲のかかれるも宜なり。彼は昨年来その位置の便宜を利用して、山木がために参謀となり牒者となりて、その利益の分配にあずかれるのみならず、大胆にも官金を融通して蠣殻町に万金をつかまんとせしに、たちまち五千円余の損亡を来たしつ。山木をゆすり、その貯えの底をはたきて二千円を得たれども、なお三千の不足あり。そのただ一親戚なる川島家は富みてかつ未亡人の覚えめでたからざるにもあらざれど、出すといえばおくびも惜しむ叔母の性質を知れる千々岩は、打ち明けて頼めば到底らちの明かざるを看破り、一時を弥縫せんと、ここに私印偽造の罪を犯して武男の連印を贋り、高利の三千円を借り得て、ひとまず官金消費の跡を濁しつ。さるほどに期限迫りて、果てはわが勤むる官署にすら督促のはがきを送らるる始末となりたれば、今はやむなくあたかも帰朝せる武男を説き動かし、この三千円を借り得てかの三千円を償い、武男の金をもって武男の名を贖わんと欲せしなり。さきに武男を訪いたれどおりあしく得逢わず、その後二三日職務上の要を帯びて他行しつれば、いまだ高利貸のすでに武男が家に向かいしを知らざるなりき。